よくダイエットされている方が「脂質摂ると太るのではないか」「脂質は1日どのくらいまで摂取してよいのだろう?」
といった質問をいただくことが多く、揚げ物、ジャンクフード、ダイエットの敵、お腹の脂肪など
そういった悪いイメージが先行しがちです。そんな脂質ですが、人のカラダにとって重要なんです。
実は脂質はダイエット、健康への味方です!ということをお伝えしたく
先に「脂質とは何なのか」から説明させていただきます。
脂質は、炭水化物、たんぱく質とともに三大栄養素の1つで、1gで約9㎉ものエネルギーを作ります。
これはたんぱく質と炭水化物の2倍以上で、少量でも大きなエネルギー源となります。
体内にある物質のうち、水に次いで多く含まれています。ほとんどが中性脂肪(内臓脂肪、皮下脂肪)として貯蔵され、必要に応じて効率よくエネルギーとなって体を動かします。
重要なエネルギー源だけではなく、ホルモンや細胞膜、核膜を構成したり皮下脂肪として臓器を保護したり
カラダを冷えから守ったり、脂溶性ビタミン(A.E.D.K)の吸収を促すなどの役割があります。
そのため、脂質が不足すると脂溶性ビタミンがうまく吸収されません、結果肌が荒れたり、髪のパサつきが起こりやすくなります。
その他、精神面が不安定になったり、単純なエネルギー不足、場合によっては身体の発達障害が出る可能性があります。脂質はこういった役割があるため、脂質制限ダイエットであっても、必要最低限は摂る必要があります。
「1日の摂取量」
1日に必要なエネルギー量のうち、脂質の摂取は20~30%が目安とされています。1日2000㎉の場合、脂質はおよそ396~603㎉(44~67g)が目安です。
脂質にはおいしさを高める効果もあり、過食傾向になるといわれているため、摂りすぎには注意しましょう。
・摂りすぎ
肥満、動脈硬化、脂質異常症、大腸がん、乳がん、前立腺がんのリスクが高まる。
・不足
エネルギー不足、体力低下、ホルモンバランスの乱れ、皮膚炎ほか、脳出血リスクが高まる。
脂溶性ビタミンの吸収が悪くなる。
とご説明させていただいた通り他の栄養素と同様、なくてはならない大切な栄養素です。
ただ特性としてカロリーが高く過剰摂取するリスクが高いので日々意識する必要があるといえます。
「脂質の種類」
1.飽和脂肪酸
一般的に固形で、肉の脂身や卵、牛乳、乳製品などに多く含まれる、酸化しにくい脂肪酸です。
中性脂肪の原料で、エネルギー源になりますが、摂りすぎると悪玉といわれるLDLコレステロールが増加して生活習慣病のリスクが高まります。1日の摂取量目安は、エネルギーの7%以下です。
2.不飽和脂肪酸
常温では液状で、植物油や魚類に多く含まれ、酸化しやすい性質があります。LDLコレステロールや中性脂肪を下げたり、善玉と呼ばれるHDLコレステロールを増やしたりする作用がある種類もあります。
このように、同じ脂質でも性質や効能は異なってきます。飽和脂肪酸は日常的に摂取する機会が多いので、ある程度制限し、不飽和脂肪酸であるお魚を摂取したり、調理でオリーブ油を取り入れるなど、バランスよく摂取するするのが理想的です。
またトランス脂肪酸という、人工的に作られる脂肪酸があります。マーガリン、ショートニングが有名で、洋菓子やインスタント食品、揚げ物に使われることが多いです。悪玉コレステロールや中性脂肪を増やすので、なるべく避けるべきで、国によってはトランス脂肪酸を禁止したり、制限しているところもあります。
・まとめ
脂質も人間にとって重要な役割を持ち、摂りすぎは不健康へ導きますが、重要な栄養素です。また、脂質の中でも良い脂質と悪い脂質があり、それらを知った上で量を調整していく必要があります。
カラダに良い脂質を適量摂取し健康的で美しいカラダを手に入れましょう!